アメリカで起業を目指す場合、取得すべきビザは起業の目的や状況によって異なります。以下は、アメリカで起業する際に利用可能なビザの概要です。
1. E-2投資家ビザ
対象者: アメリカと投資条約を結んでいる国（日本を含む）の国籍を持つ人。
特徴:
- ビジネスを始めるための「実質的な投資」を行う必要があります。一般的に5万～10万ドル以上の投資が目安です。
- ビジネスを自ら管理・運営する必要があり、単なる投資家ではなく経営者として関与することが求められます。
- 一定の雇用を生み出し、アメリカ経済に貢献することが条件。
メリット:
- 比較的取得しやすい。
- 家族も帯同可能（配偶者は就労許可が出る）。
注意点:
- 条件付きでの更新可能だが、永住権にはつながらない。
2. L-1ビザ（社内転勤ビザ）
対象者: 日本で既に事業を営んでおり、アメリカに支店や子会社を設立する場合。
特徴:
- 日本の親会社で1年以上の勤務経験があり、アメリカでの経営や管理に携わる役割がある場合に申請可能。
- 新しいオフィスを設立する場合、初年度のL-1は1年のみ有効（事業が進展すれば延長可能）。
メリット:
- 永住権（グリーンカード）申請が可能な場合も。
- 日本の事業を継続しながら、アメリカに進出したい場合に最適。
注意点:
- 日本での事業が安定していることが前提条件。
3. H-1Bビザ（専門職ビザ）
対象者: 特定の専門分野で雇用を受ける場合（例: マネジメント、マーケティングなどの分野で起業する場合）。
特徴:
- スポンサー企業（雇用主）が必要。
- 起業家自身が会社を立ち上げ、その会社が自分を雇用する形でH-1Bを申請する例もありますが、事前準備が複雑。
メリット:
- 永住権申請に進む道も開かれる。
注意点:
- 年間発行数に制限があり、抽選に外れる可能性あり。
4. O-1ビザ（特別技能ビザ）
対象者: ビジネス、芸術、科学などの分野で優れた実績がある人。
特徴:
- 「卓越した能力」を証明できる人に発行されるビザ。
メリット:
- 独自のスキルや実績を活かしてビジネスを行うことが可能。
注意点:
- 起業家にはややハードルが高い。
5. EB-5投資家グリーンカード
対象者: 大規模な投資（最低80万ドル～）を行い、アメリカで雇用を創出する場合。
特徴:
- 永住権（グリーンカード）を直接取得可能。
- 地域による投資額の差（低雇用地域では80万ドル、それ以外では105万ドル以上）。
メリット:
- 一度取得すれば永住可能。
- 家族全員がアメリカに住むことができる。
注意点:
- 投資額が高額。
どのビザを選ぶべきか？
- 資金がある場合: E-2ビザやEB-5が現実的。
- 既に日本で事業を展開中: L-1ビザが適している。
- スキルや実績がある場合: H-1BやO-1を検討。
注意: どのビザを申請する場合も、アメリカ移民局（USCIS）の規定に合致している必要があります。移民弁護士と相談することで、自分に最適なビザを選択するプロセスをスムーズに進められます。